マグネシウム
体にいい不飽和脂肪酸(大豆の脂質)
人体の三大栄養素はたんぱく質、糖質(炭水化物)、脂質です。豆腐は一見あっさりした食品なので脂肪とは無縁のように思われるかもしれませんが、実際はたんぱく質に次ぐ成分量が含まれていて、豆腐の柔らかさ、滑らかさの重要な要素になっています。
脂質はエネルギー源として体に不可欠なものですが、えてして悪者扱いされがちです。それは動物性脂質がコレステロールを多く含む飽和脂肪酸の比率が高いからです。
しかし、大豆(豆腐)の脂質は不飽和脂肪酸が8割以上を占め、そのうち必須脂肪酸であるリノール酸(約5割)、リノレン酸(約1割)の比率が高いのです。つまり、コレステロールをあまり含まないのが豆腐の脂質なのです。がん、高血圧、心臓病などの成人の予防に効果があると言われているのは、このような理由からなのです。
ミネラルの元はにがり
美味しい豆腐の条件を業界ではよく「一豆、二水、三にがり」と表現します。80%以上が水でできている豆腐はいい水が最大条件であることはいうまでもありません。次に豆。そしてにがり、いわゆる凝固剤です。
水に浸した大豆を煮て磨り潰します。これを呉(ご)といいます。呉を絞ると豆乳とおからに別れます。豆乳を凝固剤で固めると豆腐になります。この凝固剤がにがりで、苦汁とも書きます。読んで字のごとしで、苦味のある物質です。にがりは海水を煮詰めて塩を作る際に残った液体です。これが、実に29種類のミネラルを含んでいて、その主なものが塩化マグネシウムなのです。
日本人はカルシウムの摂取量が足りないといわれていますが、ただカルシウムだけを摂るのではなく、カルシウムとマグネシウムを2:1の割合で摂取すると、両者の効果がベストに働くことが証明されています。
豆腐の凝固剤はほかに、歩留まりなどの経済性から「硫酸カルシウム(すましこ)」も使われますが、マグネシウムの含有量は、にがりに及びません。ミネラルの補給という体にとって大事な要素も豆腐は担っているのです。
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